数日前にアメリカの元大統領、ジェラルド・フォード氏が亡くなりました。93歳でした。リチャード・ニクソン氏の副大統領を勤め、ニクソン氏がウォーターゲートで辞職したのを引き継ぎ大統領になりました。ニクソン氏とう深い親交があったフォード氏はまわりの人たちにあまり相談もせずにニクソン氏を赦免することを発表。側近たちもかなりあわてたそうです。
フォード氏に限らずアメリカでは元大統領がなくなると彼らのあまり素晴らしくなかった政策も含めて功績をたたえ、どういう人物であったかというニュースが流れます。国葬には彼らの死をいたむ人たちが参加、また実際にその場に行くことができない人たちも大統領たちをしのぶ姿があちらこちらで見られます。その後本が出版されることも少なくないし、人となりを知ることができる機会に私たちは触れることができるのです。
これは大統領を選び出すシステムによるものなのかもしれませんが、日本の総理大臣がなくなったときにニュースと質が違うように思えてなりません。別にどちらが良いとか悪いということをいっているのではないのですよ。念のため。
元総理大臣がなくなったときに日本の人々の関心はアメリカの大統領がなくなったときのアメリカ国民の関心に比べてずっと低いですよね。そしてその総理大臣がどのような政策を取り日本をどういう方向に導いていったのか、世界の中で日本をどういう立場に置いたのか、という具体的な話はあまり聞かれない… そんなことないですか? 「○○総理大臣」と名前を聞いて、そういえばそういう総理大臣がいたな、と思うことはあってもあの人はよきに付け悪しきつけ「あの政策」の人ね、とすぐに思い浮かぶ人って多くはないな、というのが私の印象。
メディアの放送だってもちろんお葬式の場面は写すもののあまり掘り下げたことは伝えることはあまりしませんよね。「あっ、だれだれさんがやってきました。神妙な面持ちです」なんてことはいうけれどそれ以外にあまり賢そうなことは聞こえてこない…
さらに、多くの大統領たちが辞職後、チャリティ、環境問題に力を入れて数多くの本を出版しているのに比べると日本の元総理大臣の方たちは… 何をしているのかな…? 自分の意見を本に書いて出版するほど自由な意見を持つことは「あまりよくない」という土壌があるのかしら? それとも「党にふさわしくない」という意見が蔓延しているのか、さもなくば本を書くほどあまり意見を持っていない…? いや、そうは思いたくないですね。一国の元首をした人達ですよ。本をかけるほどの意見、考えはきちんと持っていると信じたい。
前述しましたが、総理大臣の選出が国会の中でのことで日本国民にはあまり密着していないから総理大臣がどういう人であるかにあまり興味が持てないのかもしれませんね。でも、それはチョッとまずいのではないかしら? なんていっても総理大臣の選出方法を代えるのは法律を変えなくてはならないのだから大事になってしまうからおそらくこのままだろうけれど、もう少し国民にとって総理大臣の人となりがわかるようにならないとますます日本では政治から離れていく人たちが増えていくような気がします。
自分たちの意見がもっと反映するようにならないと困りますよね。それととともに政治家の方たち、アイドルではないのだから着ているものやら一挙一動を報道されることを良しとせずにもっと自分の政策、意見を出版してどういう人間であるのかを国民に教えてください。総理大臣の方ご自身が執筆なされた本ってどれくらいあるのかしら? 歴史学者たちが書いている本はあるのでしょうが…
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